今回は、絶賛落ち込み中の友達のために、
あるゲームの夢小説を書きました。
ずっと、そのゲームやってないからあいつどんなキャラだっけ?
って少し困りながら、書いてみました。
まあ、完全なオリです。そして今回は、男子目線です。
はい。またまた、クオリティが超低いですが、見ていただけると嬉しいです。
生まれ変わって・・・
光が薄くなる。さっきまでの姿は、もう此処にはない。
「――の。との、殿!!」
はっ、俺は、今・・・。
「あれ?殿、ナナセさんは?・・・帰らせたのですね?」
「あぁ。帰らせた・・・。」
「そうでしたか。でも、もうそろそろ、冷えます。殿、中へ・・・って、泣いてっ?!」
「な、何を言ってる・・・泣いてるわけ・・・」
言われてふと気づくと、頬が濡れていた。あぁ、そうだ。行かせたんだ。
もう、会えないんだ。もう、声を聞くことも、この腕で抱きしめることも・・・。
「本気で、愛していたのですね。」
「・・・。あぁ、愛していたさ。狂おしいほど愛していた。
手放したくなかった。返したくなんてなかったよ。一瞬、引き戻そうとしてしまった・・・。」
「殿・・・。」
「ナナセは幸せにならなきゃいけない。あっちの世界でね。だから、俺も前を向こう。」
―――――ん、また夢・・・最近よく見るんだよな・・・。
でも、夢にしては、やけに鮮明だな・・・。
「もう、ほんっとーに大丈夫なの?〝ナナセ″」
ん?ナナセ?どっかで、聞いたような・・・。
「うん。大丈夫だって。心配かけてごめんね。」
「はー、修学旅行の途中から、最近まで元気なくて、超ビビったよー」
「あはは。ごめん、ごめん。トモミ。本当に、ごめんね。」
はぁ、電車内であんなに大きい声で話すなんて・・・。
「次は―――――」
あ、降りよう。意外に降りる人がいる・・・階段混んでるし。切符・・・っと、財布が・・・
「あの、これ落ち?!」
なんだ??さっきの女子高生たちか??
「慶喜さん!!」「ん?どうしたの〝ナナセ″?」「は?」
なんだっけ、えーと、な・・・ナナセだっけ?
「え?なんで、俺の名前知って・・・」
なんだ、この娘・・・でも、会ったことがあるような・・・
「どうしたの?本当に。なんか、さっきも、徳川慶喜で変だったよね・・・。」
「え、変だった?」
「・・・。えと、財布・・・。」
「あ!!財布!!すみません・・・」
「あの、俺と会ったことありましたっけ??」
「え?覚えて・・・」
「いや、最近よく夢で見るんですよ。なんか、江戸時代っぽくて、俺が慶喜とか殿とか呼ばれてて、君に似た娘・・・しかも、〝ナナセ″って娘が好きだったんだ。」
「・・・。」
「まぁ、夢の話だけど、すごい鮮明で記憶の一部じゃないかってくらい覚えてるし・・・」
「・・・っ」
「「えっ?!」
なんで、急にこの娘泣き出すの?え、俺変なこと言った?
「俺、変なこと言いました?」
「いや、いいえ・・・ただ、なんか不思議で・・・」
・・・頭痛が、急に・・・。結構、酷いな・・・
「慶喜さん!」
あぁ、幸せだ。今俺は、幸せなんだ。きっと。ずっと続けばいいんだけどね。
「ナナセの笑顔を見るだけで、疲れが吹っ飛ぶよ。」
そして、抱きしめてみる。お、真っ赤だ。これだから・・・苛めたくなる・・・。
「もう!慶喜さん離してください!!」
「じゃあ、膝枕してもらえるかい?少し疲れてるんだ。」
なんて、嘘をついてみる。けど、ナナセは簡単に騙されるんだ・・・。
「・・・もう。はい、どうぞ!」
本当に可愛いな。
「あの!!大丈夫ですか?!」
え・・・ナナセ?そうだ、あれは、夢じゃなくて・・・
「・・・」
「あ、あの急に倒れちゃって・・・でも、友達は塾があるかあるからって・・・大丈夫ですか?」
「な、ナナセ・・・」
あぁ、ずっと会いたかった。この声を聞きたかった。
「え?えと、あの・・・もしかして、慶喜さん?」
「俺以外にだれがいるの?」
「よ、慶喜さん!!」
ほら、またすぐ泣く。やっと、抱きしめられた。
あぁ、歩く人に見られてる。だけど、今はそんなのどうだっていい。
もう、二度と会えないはずだった。
でも、心の何処かで探し続けていたのかな。夢で記憶を思い起こしてまで。
「もう二度と離さない。絶対に。」
「絶対!絶対ですよ!もし、離しても私は離しませんからね!」
「それは、困るなぁ。ナナセ、」
「なんですか?」
人が随分と増えたな・・・。当たり前か。人前でこんな抱きしめ合ってるんだから。
「ナナセ、愛してる。」
そして、俺はナナセにキスをした。
「?!・・・っ!」
はは、真っ赤だ。
「ちょ、慶喜さん、皆見てます・・・すごく恥ずかしいです・・・。」
もう、もっとしたくなるじゃないか。こんなに可愛いと。
さっきよりも、深くキスを落とした。
「あ、そういえば慶喜さん。私、ずっとかんざし取っておいてるんですよ。」
「え?あの、俺があげたやつをかい?」
「はい!私の宝物です。」
・・・。嬉しくてからかうことが・・・
「あれ?慶喜さん?真っ赤ですよ?」
「っ!うるさいな!!」
強引に抱き寄せた。
空には二つの星がまるで二人を表しているかのように寄り添い輝いていた。
今日は、新月の夜。夕方の静寂が二人を包み込んでいた。